貴重な経験が子どもの生きる力を育てる
28年目 同前先生
大学を卒業後、まだ体育館もなかった開校2年目の小学校の採用試験を受けたのは、今思えば、新しいことをするのが好きだったからです。学生のころから、伝統を守りながらというよりは、自分たちが新しいものを築き上げていくことに魅力を感じていました。その当時から、誰のどんな提案にもノーとは言わず、「とりあえず、やってみようよ」というのが学校の考え方で、私もいろいろな学年で担任を経験し、たくさん新しいチャレンジをしてきました。これまで多くの児童を受け持ってきましたが、テレビ朝日アナウンサーの山本雪乃さんや、空手女子のアメリカ代表として東京2020オリンピックに出場し、型(かた)で5位に入賞した國米櫻さんも教え子の一人です。東京オリンピックは、コロナ禍で無観客開催になりましたが、日本武道館に応援に行きたかったです。
塾小の子どもたちは、1年生から6年生まで、年に1回の宿泊学習を経験します。現在はコロナの影響で中止していますが、山の学校、スキー合宿、修学旅行、5年生はオーストラリア研修など、ずっと一緒にいる親と離れ、クラスの友達と初めて行く場所に泊まります。県外の中学校に受験の引率で同行したことがありますが、泊まり慣れている塾小の6年生は、受験前日も落ち着いていて、リラックスして受験に臨めていました。海外研修では、うまく英語が話せなくても現地の小学生と友達になって帰ってきます。この貴重な経験の数々が、6年間で子どもの内面を大きく成長させ、生きる力を育ててくれます。
私たち教員は、すべてを抱え込むことはしません。スキー合宿に行けばインストラクターの先生に、オーストラリア研修では現地のコーディネーターに任せて、サポートにまわります。学年ごとに教員がサポートし合い、学年間が連携し、必要に応じて専門家の協力も得ながら、授業や学校行事を進めていくチームワークの良さがあるからこそ、今の朝日塾小学校があるのだと思います。